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春に山へ行って杉を植えます。

春に山へ行って杉を植えます。

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杉の林を作るための杉の植え方には「実生苗(みしょうなえ)」と呼ばれる木の種を発芽させて育てた苗木を植える方法と「挿し木苗(さしきなえ)」と呼ばれる、親木の一部を切り取って土に挿して繁殖させた苗木を植える二つの方法があります。
ひとくちに杉といっても様々な品種があり、挿し木苗での植林は親木と同じ品質の杉を育てることが出来るので、日田では、昔から挿し木苗を使った植林を行っています。また、この挿し木苗の品種改良も古くから行われてきました。
こうして植えられた杉が、一般的に住宅用の木材に育つまでには50年ほど月日がかかるのですが、それまで手をかけながら育てていくことを「育林(いくりん)」といいます。

 

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エンヤ、コラッ~。蜂に刺されんようにせないかんばい。

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山の自然のなかでは、植えたばかりの小さな苗木のまわりに雑草などが生い茂ります。苗木に日が当たらなくなり、うまく育たなくなってしまうため、毎年、夏になると、そうしたものを取り除く作業を行います。これを「下草刈り(したくさがり)」といい、植林後7~10年頃まで、苗木が5メートルくらいの高さまで成長して、雑草などが杉の陰になって勢いを失う頃まで続けます。蜂やマムシなどが出るので大変です。
その後も、数年おきに、杉以外の木を切って取り除く「除伐(じょばつ)」と呼ぶ作業を行います。なかでも、蔓(つる)は大敵です。これは巻き付いて杉の形を変形させたり、またたく間に杉よりも高いところまで伸びて杉林に陰をつくり成長を妨げるため、見つけたらすぐに切らなければなりません。これを「つる切り」といいます。
杉も人間の赤ん坊とおなじで、一人前に育てるまで手がかかるのです。

 

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ギコギコギコ。お~、これも切っておかんといかんきに。

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除伐の時期を終える頃には、将来どんな木材にするのか使い道を決め、杉の林の様子をみながら育ちの悪い木を取り除いていきます。いわゆる、「間引き」を行いますが、林業ではこれを「保育間伐(ほいくかんばつ)」と呼びます。この時期、木材にしたときに節が出ないようにするために枝を落とす「枝打ち(えだうち)」という作業も行います。
こうした作業は、植林後35年後くらい経って、杉が成長し、木材として出荷できる大きさになる頃まで続けられますが、その後、さらに太く育てるために、杉と杉の間を空けながら伐採していきます。これは「利用間伐(りようかんばつ)」と呼びます。

 

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お~い、た~おれ~るぞ~!そこの鹿ちゃん、気ィつけてェ!
バリバリバリ~~~、ドーン!!!

日田の伝統的な「輪掛け」

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使い道に応じて、それにふさわしい大きさに育った杉を伐ることを「伐採」といいます。
チェーンソーやくさびをうまく使って、重量のある大きな木を思う方向に伐り倒すのは、なかなか熟練の技術がいる仕事です。最近では、大型の重機で伐ることもあります。
木は、涼しくなる9月から暖かくなる前の2月までに伐るのがよいとされてきました。この時期は木に含まれる水分が少ないため、皮がはげにくく食べる虫が入らないからです。しかし、最近では、伐った後、すぐに製材所で木材に切り分け、虫が入る前に人工的に乾燥させるため、時期を選ばなくなってきています。
日田には、人力で伐り出した丸太を運んでいた昔から、少しでも丸太の重量を少なくしようと、伐採した杉の皮を剥いで山の風通しのよいところに置いて乾燥させる「輪掛け(りんがけ)」と呼ばれる伝統的な乾燥方法がありましたが、現在でもその伝統を引き継ぐ会社があります。

 

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ワイヤーで吊るして山から山へ、谷から谷へ。

「フォワーダ」と呼ばれる小型運搬機。道がなくても大丈夫。

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トラックに積んだら、一般道を走って街の市場まで運びます。

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山奥で伐った木は麓の街まで運び出さなければなりません。まさに、山あり谷ありの伐採現場から道なき道を伝って丸太を運搬していきます。「フォワーダ」と呼ばれるキャタピラのついた小型の運搬車にのせたり、ワイヤーで吊るして山から山へ移動させたりして、トラックが入っていける道路まで運んでいきます。
その昔は、「どんだ曳(び)き」といって、急斜面を馬で運んだり、水路を作って丸太を流したりもしました。こうした輸送の手段を考えたり、そのための道路を作ることも林業の重要な仕事です。

 

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はぁ~い。今日は、いい杉、入ってるよ~。

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伐り出した丸太を「原木市場(げんぼくいちば)」と呼ばれる市場に運びます。ここには、杉だけでなく様々な樹種や太さの木が集められています。
市場で杉は、品種や太さごとに仕分けされ「競(せ)り」にかけられます。競りは主に製材業者を相手に行われますが、入札保証金さえ払えば誰でも競りに参加できます。このような市場が周辺地域も含め7カ所あります。
日田では、古くから林産地として栄え、木工業が発展してきた歴史のなかで、様々な木が住宅や家具、下駄といった使い道に応じて市場ごとに振り分けて集められるようになりました。

 

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バナナも林檎も杉も、おんなじやけん~。
皮むき機で丸太の皮を剥いでいきます。

まず、帯鋸(おびのこ)という、輪になった巨大なのこぎりで丸太を切って、
さらに細かく切り分けていきます。

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市場で買った丸太の皮をむき、用途に応じて切り分け、木材にしていくのが製材所の仕事です。木材に含まれる水分の量を調整して乾燥もさせます。
この段階で、家の建築現場で柱や梁(はり)、壁や床など作るときに都合のいいように切り分けていきます。
木材を切り分けるときに大量に出るおが屑は家畜の飼育などに用いられます。

 

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「もうちょっと、安くならんとですか。」
「そんなら、こっちにするしかないね。香りがぜんぜんちがうけどね~。」

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各製材所で製材された杉は「木材製品市場」という市場へ集められ、ここで材木問屋たちが仕入れ、その後、工務店や大工の手に渡るのが一般的ですが、それとは別に「直需木材市場」という市場もあり、ここでは工務店や大工が材木問屋を通さずに木材を仕入れています。
また、最近では、「プレカット工場」と呼ばれる工場で、柱や梁などの部材をあらかじめ図面に沿って加工して、建築現場へ届けることが多くなっています。工務店やハウスメーカーから加工の注文を受けたプレカット工場は、製材所からこれらの市場を通さずに木材を買い入れます。
ただ、こうした市場やプレカット工場は日田には無く、木を育て、伐り出して製材するまでが、日田の林業の主な仕事です。

 

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「親方、今日はうちのが弁当に唐揚げと卵焼き、両方入れてくれたんスわ。」
「オヨヨ~。」

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家の建築に用いられる部材の大半は、工務店やハウスメーカーから渡された建築図面に従ってプレカット工場で加工され、建築現場へ運ばれていきます。
プレカット工場が登場するまでは、製材所で製材した木材は建築現場へ運ばれ、大工が鉋(かんな)をかけ、「墨付け(すみつけ)」をして正確に刻んでいましたが、現在はこうしたやり方は稀になっています。とはいえ、柱や梁を組み上げていくのは、今もかわらず大工の仕事です。